りぅの風森

第82話

第82話 闇ルイとの決着

闇ルイと僕が互いに魔法を唱え始めた頃
爆風で吹っ飛ばされたガリシィルは
大きな木に引っかかったお陰で500m吹っ飛んだだけで済んだみたいだ
しかし、ガリシィルの体中は切り傷と火傷でかなりのダメージを受けてる。

「くっ・・・なんて威力だ」
ゆっくりと立ち上がると辺りを見渡した
近くでライとレイウェルが倒れている
ガリシィルは太い木の枝から飛び降りるとライ達の安否を確認した
幸いにも気絶してるだけだ、ガリシィルほど深手は負っていなかった
しばらくしてレイウェルが首を振って、目を明けた
「いってぇ~・・・・」
「気がついたかレイウェル」
「あぁ、おかけで無上に腹が立った・・・・」
そういうとレイウェルはタバコを取り出し口に咥えて火をつけた
「・・・・・それよりシィル」
「なんだ?」
「あの青白い光はなんだ?」
レイウェルが指差す方は闇ルイと僕がいる場所だ
そこから青白い光が天空に向かって放たれている
「あれはルイの魔法か?・・・いや、闇人格のルイがあんな魔法放つはずがない」
丁度その時ライが起き上がった
「くそぅっ、私達では奴を止められないのか・・・・」
地面にクレアフィングを突き刺し、震えながら立ち上がる
その様子を見ていたガリシィルは魔法の詠唱を始めた

リカヴァレイション!!

ガリシィル達の傷が塞がって行く
範囲効果のある回復魔法だ
「すまないガリシィル」
「問題は闇ルイの禁断魔法を直接食らったサラが心配だ、無事だといいが・・・・」
「・・・・とりあえず戻ろうぜ」とレイウェル
ガリシィル達は地面を蹴って空へと羽ばたいた

「皆さんしっかりしてください!」
サラが必死で回復魔法を続けざまに唱えて、皆の傷を癒す
ヒョウのマナチェンジでマナを入れ替えてもらったのだった。
すると森の茂みからラッシュがふらふらしながら姿を見せた
「ってて、あの魔法を受けて無事やったんかいなサラはん?」
「ラッシュさん 大丈夫ですかっ!」
「何とかわしは先に逃げたさかい、せやから無傷やけど、ラジェス達が・・・」
「皆はなんとか無事のはずだ」
するとラジェスが起き上がった、しかし彼の身体からはまだ煙が少し出ている
「ラジェス大丈夫?」とヒョウ
「ドラグレアバスターの力を解放するのが遅かったら俺達は死んでいた」
「と、兎に角! 傷を癒すのが先決ですよっ!」

リキューパレイション!!
一方、闇ルイと僕は互いに魔法をぶつけようとしていた

僕の右手人差し指には青白い光を放つ巨大な球体が出来上がっていた
対する闇ルイの左人差し指には黒い光を放つ巨大な球体を作っている
次の瞬間 お互いに指を振るって 魔法を放った

「銀星の光道っっっ!!」   「暗黒の光道っっっ!!」

黒い光を放つ球体と青白い光を放つ球体がぶつかり合い
巨大な爆発を引き起こした

辺り一面を紅い閃光で覆い尽くす、灼熱の世界

その様子を見たガリシィル達は驚き、移動速度を遅めて一時急停止した
「なんて魔法なんだっ! 誰が闇のルイと戦っているのだ?」とライ
「まさか・・・・そんなはず・・・あれはルイだっ!」
ガリシィルは目を大きくして、指を指した
指を指した向こうで 闇ルイと僕が戦っているのが見えた
まるで双子のように見えてどちらが本物でどっちが偽者なのか見当がつかない
「これじゃぁ、攻撃のしようがないぞシィル」とレイウェル
「・・・・くっ、ここはルイを信じて、俺達はラジェス達のところに行こう」
「分かった」
進路を変えて闇ルイのいる場所を避けて 向こうに行くことにした3匹

一方 闇ルイと僕は

「はは・・・・さっきの殺気には驚いたが、 どうしたっ! この程度かっ!!! 本物さんよぉっ!」
「くっ、黙れっ! お前は早く消えろよっ!!!」

疾風の爪跡っ!

僕の放った 衝撃波は闇ルイの身体を捉えたかのように見えたが 残像を切っただけだ
「は、はやいっ!?」
「残念でした~、さて、お前もすぐに闇に送ってあげるよ」
すると闇ルイは左手を掲げて、魔法を放つ

暗黒神の鏡(デーモンズミラー)っ!

『あ、あれは竜成学院にある書物庫で独学で覚えて闇魔法・・・・』

「ならばっ、これで打ち消すまでだっ!」
すると僕は素早く魔法を詠唱し、相殺にかかった

天空の光影(シャドウ・ライトスフィア)っ!

天空より輝かしい光が降り注ぎ、闇ルイの魔法を光の彼方へと消し去りながら 闇ルイに降り注いだ
「うぉぉぉっ!?」体勢を崩す闇ルイ
「まだだっ! お前は僕の手で消し去ってやるっ!」
僕は体勢を崩す闇ルイに向かって走り出した
両手には聖戦器スカイファルコンが装備されている
「・・・お前は光の遺志を継ぐというのかぁっ! ふざけるなぁっ!!」
闇ルイは地面に手を付きながらも体勢を立て直し、魔法を放つ

暗雲の雷撃(ダーククラウドレイ)っ!

「な、なんだ、この魔法は・・・!?」
黒い霧が走りこんでくる僕の周りを包み込んだ
「あはははははっ! 黒焦げになってしまえぇぇっ!」
闇ルイが笑って手をかざした時、黒い霧から雷撃がほとばしった

バチバチバチバチィッッッ

激しい雷撃音が鳴り響く、しかし、突如その音は爆発音に変わった

ドォォォォンッ!

砂煙とともに爆風が闇ルイを襲う
「ふんっ!」
闇ルイは咄嗟に魔法障壁を作り出し爆風を防いだ
その直後、煙の中から僕が姿を現し闇ルイにスカイファルコンで切りかかる

ガギィィィンッ!

スカイファルコンと闇ルイの爪がぶつかる
「くそっ・・・・」
「危ないところだったよ、もう少しでお前の魔法を食らっていたところだった」
「ちぃっ! 何故だ・・・・戦闘力は明らかに僕の方が上のはずだ! まだ力に目覚めていない君が・・・」
「まだ力に目覚めていない? それは一体どういうことなんだ!?」
僕は自分自身の闇の分身に問い掛けた
「本物さんはまだ知らないんだね、身体に眠る力があることを」
「な、何を言ってるのか分からないよ・・・・」
「あぁ、永遠に分かるはずもないよ、何故なら君は自分自身の分身によってこれから殺されるんだからね!」

フッ・・・

僕の攻撃を受け止めていた闇ルイは突如姿を消した
僕は辺りを見渡しながら考えた

『・・・・あれは僕の分身、たとえ闇の力があったとしても、僕には聖戦器があるのに戦闘力差がないなんて』
一方

「どないなってんねん? レスク達の傷が塞がってないやんか!」
サラが回復魔法を唱えたにもかかわらず レスク達の治りが浅かった
「・・・・す、すいません ヒョウさんから貰った魔法力も・・・・もう」
「無理をするなサラ、それ以上続けたらお前の身体も危なくなる」
ラジェスが言った
「ラジェスっ、このままだとレスクさんやラクさんが!」
「ヒョウ・・・・」
と、その時だった空から何かが降りてきた
「この影は一体?」
「ガリシィル達や!」
「大丈夫かサラ! 皆!」
ガリシィル達がサラ達のところへ戻ってきた
「ルイさんが助けてくれたおかけで私はなんとか・・・でもチョロさんとレスクさんとラクさんが」
サラの横で横たわったままの3人
それを見たガリシィルは口を開く
「チョロはおそらくこの程度では大丈夫だろうが、レスクとラクがヤバイな、サラの魔法でも治らなかったのか?」
「す、すいません、『竜の輝く新星』の魔法を放ったので 魔力がもうほとんど残ってなくって・・・・・」
「ちょっと待てガリシィル、チョロをどう見ても大丈夫とかそういうレベルじゃないと思うぞ」とラジェス
「・・・・同感だ」
レイウェルはタバコを投げ捨ててガリシィルの方に視線を変える
「・・・・とにかくだ、神子とはいえ人間とそう変わらない防御力のレスクからすぐに手当てをする」
そういうとガリシィルは右手をレスクの上に乗せた

リカヴァリアヒール!

蒼い光がレスクの身体を包み込み 身体の傷を癒した
しばらくしてガリシィルの身体が震え始める
「・・・・ちっ、こんな時に」
舌打ちしてから 左手で胸を抑えた
その様子を見ていたレイウェルが口を開く
「お前、胸から血が・・・・」
「心配ないただの古傷だ」
「だといいが」
「それより次はラクの番だ」
今度はラクの様態を確認するガリシィル
するとその時 突如 倒れていたチョロが起き上がった
「いってぇっ・・・・あのやろう、ぜってぇ許さねぇっ!」
起き上がると同時に大声で怒鳴る

『ガリシィルの言ったとおりだな』
『あぁ・・・・』

レイウェルと小声で呟く

「よし、これでとりあえず大丈夫だ」
ガリシィルはそういうと地面に腰を降ろした
「かなりの魔力を消費したみたいだが 大丈夫かシィル?」
「あぁ、以前と違って病気は治ったからな、いつもよりは少しは楽だ」
レイウェルの問いかけにガリシィルは答えた
「そんなことより早く闇ルイを止めようぜ!」
傷が癒えてないはずのチョロが言った
ガリシィルの頬に汗が伝う
「いや、闇ルイはルイと戦っているんだ」
「なんだってっ!?」
驚いた様子でチョロが目を大きくした
「加勢しようにも見分けがつかない以上は何も出来ん」
「ちっ・・・」
「様子だけでも見に行かないか?」
とラジェスが言った
「・・・そうだな。 ライ、ラッシュ!」
「ん?なんやガリシィル」
「こいつらの様子を見ててくれないか」
ガリシィルは倒れているレスクとラクに指差して言った
「わかった、まかせとき」
胸を叩いて返答するラッシュ
「了解した」
ライもこくりと頷く
「そうと決まれば早く行こうぜ!」とチョロ
「・・・あぁ」

その頃、闇ルイと僕の決着が付こうとしていた

「死ねぇぇぇぇぇっ!」
僕の後ろから闇ルイが攻撃を仕掛けてくる
僕は素早く振り返ると闇ルイの攻撃を見切った
横に振るって仕掛ける 狼の爪跡 をしゃがんで回避すると
地面に手をつき、逆立ちするかのように蹴りを闇ルイに食らわせる
「なにっ!?」
「僕は自分の偽者なんかに負けなんかしない!」
宙に浮いた闇ルイに追撃するかのように飛び起きると、僕は地面を蹴ってジャンプした
「これでも食らえっ!」

テイルトライエッジ!

空中で素早い連続攻撃が闇ルイの身体を捉えた
「うぐああぁぁぁぁぁっ!!」
闇ルイの身体はズタズタに引き裂かれ、辺りに黒い液体が飛び散った
血液ではなさそうだ、しかし闇ルイの傷口から黒い液体が流れて出ていることから血液のようだ
僕は翼を広げて地面に着地すると、同時に血を吐いた
「ぐはぁっ」
どぱぁっ・・・・・ポタ・・・ポタ・・・ポタ・・・
地面に左足の膝をつく僕
それを横たわりながら見ていた闇ルイは口を開いた
「・・・・バカな奴だ、僕を殺せば本体である君の身体にも影響が少なからず出るというのに」
「う、五月蝿い・・・・・早く、消えろっ」
震える身体をひねり闇ルイを尻尾で殴った僕、鈍い音が鳴り響いた

ゴッ・・・

「・・・・・・」
ピクリとも動かなくなった闇ルイ
その瞬間に僕の全身に激しい激痛が襲った
「うがぁっ・・・ぅあぁっ・・・ぐぁあ゛ぁぁぁ・・・・・」
地面をのた打ち回り、血を吐きながら叫び声を上げる
闇ルイの方は傷口から黒い煙を上げて消えていくのが見えた
そこへガリシィル達が駆けつける
一番最初に僕の側にきたのはガリシィルだ
「ルイっ! しっかりしろ! 死ぬんじゃないっ!」
「がふっ・・・が、ガリシィ・・・ごはっ・・・ぁあ、はぁ・・・はぁ・・・」
物凄い量の血を吐いて僕はゼイゼイと吐息をした
続いてサラが慌てて駆け寄った
「ルイさんっ!」
「・・・よかった、皆・・・・は?」
今にも死にそうな僕、目が潤んでいて今にも涙が頬を伝いそうだった
「喋るなルイ!、いますぐに回復魔法を・・・・・」
ガリシィルがルイの身体に手を当て、回復魔法である蒼白い光を放つ
その瞬間にガリシィルの胸から血が噴出した
どばぁっ・・・
「くっ・・・」
「よせ、シィル! それ以上魔力を使うとお前まで死ぬぞ!」
慌ててガリシィルの腕を掴むレイウェル
「放せレイウェル!」
「・・・・今のお前にルイの傷を癒すことが出来るわけがないだろう、ここは俺に任せて大人しくしてな」
そういうとガリシィルを片手で軽々持ち上げると後ろにやった
「す、すごい・・・・」
その様子を見ていたチョロが呟く
しかし、別にレイウェルが怪力というわけではないのだ。
ガリシィルの体重が軽すぎる、ただそれだけのこと・・・・
レイウェルは死にそうな僕に近づくと、何やら呟き始めた

「ΘξφΨ‰・・・・・」

「あ、あれは・・・」
「どうしたのラジェス?」
ヒョウが驚いた顔をするラジェスの腕を引っ張った
「あれはもう絶滅した次元竜が出来た古代魔法だ」
「え? ということはレイウェルは・・・・」
「分からん、奴はどう見てもただのケモ竜だしな」
「ほむぅ・・・」

『レイ、お前の本当の正体は一体・・・・』

レイウェルに投げ飛ばされて尻餅を付いていたガリシィルは目を丸くした
しばらくするとレイウェルの身体から羽毛が飛び散った
バサァッ・・・・
「な、何事だ!? レイウェル!!!」
チョロがその事態に叫ぶ
「少し黙ってろっ!」
レイウェルはそういうと僕の身体に右手の人差し指を乗せた
その瞬間、先ほどレイウェルから抜けた羽毛が自我を持っているかのように僕の真上で円を描いた
レイウェルの指先からは蒼い光が発し、ルイの傷を一瞬で回復させていく
「す、凄い魔法だルイさんの傷を一瞬で・・・・」
サラがその様子をじっと見詰めていた
しばらくして、レイウェルは地面にへばり付いてしまう
「レイウェルさん!」
どうやらかなりの魔力を使ったらしい
慌ててラジェスが駆け寄る
「大丈夫かレイウェル!」
「なぁに俺はタバコを吸えばすぐに回復するぜ」
そういうとレイウェルは仰向けになって、タバコを口に咥えて火をつけた
「だが、お前・・・・今の魔法は」
「ルイは無事かっ!」
チョロが話を裂いて駆け寄った
僕は目を閉じたまま、何も喋らない
「今は休ませてやれ、といっても俺たちもかなりの体力を消費したがな」とレイウェル
「すまない、俺のせいでこんなことに」
土下座するチョロ
それを見てガリシィルはチョロの肩を叩く
「何、失敗は誰にでもある」

『これでルイが未知なる力を解放できるようになればいいのだがな』

ガリシィルがルイの寝顔を見た時だった
突然ガリシィルはよろめいて地面に膝をつく
「ガリシィル!?」「ガリシィルさん!?」
「・・・・・まだ大丈夫だ」
「まだ?」

『どういうことだ、いつもより魔力の消費が激しい上に自然回復が追いついていないなんて』

すると少し引きつった顔をするガリシィルにレイウェルが言った
「まさかお前、本当は病気治ってないんじゃ・・・・・?」
それを聞いてガリシィルの耳がピクリと動いた
「それはない、ルイたちのおかげで竜死病は確かに治ったはずだからな」
ガリシィルはよろめきながらも立ち上がった
「とりあえずライ達のところに戻るぞ」
「分かった、ルイは俺が負ぶって行くよ」
チョロはそう言って眠った僕を背中に負ぶる
ガリシィル達はとりあえずライとラッシュが待つ場所へと移動し始めた
チョロとヒョウは真っ先に走って行き
後にラジェスとラジェスの肩を借りるレイウェルが続く
ガリシイルは足を動かさずただ呆然と立っていた
それに気づいたサラがガリシィルの元に駆け寄った
「ガリシィルさん、本当に大丈夫なんですか?」
「・・・・サラ、俺の胸の傷が治らないのは知っているな」
俯いたままガリシィルは左手で胸を抑える
「バハムートにやられた傷跡・・・ですか?」
「そう、俺はバハムートにこの胸を引き裂かれた、そしてこの傷跡は永遠に消えることは無い」
「それは前にも聞きました、でも以前バハムートがその傷を治してくれましたよね?」
「あぁ、だがやつは傷口を防いだにすぎない、完全には治せなかったらしい」
「そ、そんな!? あのバハムートが手を抜いたっていうんですか!?」
「・・・・・あの時は竜死病も患っていた、その影響もあるかもな」
「ガリシィルさん、やっぱり帰って安静にしていた方が・・・・」」
しばらく沈黙が続き、微風がガリシィルの髪を揺らした
ガリシィルは顔を上げると
「・・・・・いや、しばらくすれば自然に出血は止まるだろう、それより肩を貸してくれるか?やっぱり自力で歩くのは辛い」
そういうとガリシィルは再び倒れそうになった
サラが慌てて肩を貸す

『やっぱり・・・・軽い』

「こ、これから無茶をするのは止めてくださいね!」
「・・・・・出来たらな」
そういってガリシィルはサラに支えてもらいながらゆっくりとライ達の所へ向かった

しばらくして ライ達のところへ全員が集まった

「結局お前、肩を借りてるんだな」
サラの肩を借りるガリシィルを見てレイウェルが言った
「う、五月蝿い・・・・」
「とにかくこれからどうするんだ?」
ライが困った様子でガリシィルに言った
「俺に言われてもな、ルイが起きなきゃ話にならん上に俺もレイウェルもレスク達もこんな状態だ」
「なるほど、当分は移動できないな」
「今は何時ぐらいだ?」
チョロが言った
「分からないが日が大分落ちてきている、このままだと野宿だな」
ラジェスが空を見て言った
「野宿かいなぁ、しゃないな~、わしが食料を調達してくるわ」
「悪いなラッシュ」
「な~に、わしは唯一無傷なんや、ここはわしに任せてくれ!」
そういうとラッシュは森の中に消えていった
「大丈夫かな?」とヒョウ
「大丈夫だろう、ここまでくれば猛獣はいないし、ラッシュもそう柔な奴じゃないはずだ」
するとラジェスは水晶玉を魔法で呼び出した
「何をする気だラジェス?」
見ていたチョロが聞いた
「いや、久しぶりに占いをしようと思ってな」
「珍しいねラジェス、水晶玉で占いをするなんて」
「五月蝿いぞヒョウ」
水晶玉を片手にラジェスは念を込め始める
すると水晶玉に何かの映像が映し出された
「何か分かったのか?」とライ
「もう少し待て、俺が後で教えてやる」
ラジェスは水晶玉に映る映像を黙視した
しばらくして、水晶玉は砕け散った
「・・・・・ねぇ ラジェス」
「何も言うなヒョウ」
「要するに失敗したんですね・・・・」
サラが言った

『俺が水晶占いをミスった? ・・・何か嫌な予感がする』

その後 ガリシィル達はラッシュが確保してきた食料で夜を過ごして野宿した

明日はいよいよ 黒竜の村を目指して再度旅立つ僕達
黒竜の村へ行くには雪山を越えなければいけないのだ。
雪山に待つ新たな試練、果たして僕達は無事に雪山を越えて、黒竜の村にたどり着けるのだろうか

続く