りぅの風森

第47話

第47話 -火の大精霊-

旅の仲間であったドラゴ丸がPTからはずれ
新たな仲間ガリシィルが加わって
僕達はカルダインの町を後にしてアスガールを目指す
本当の目的はアスガールの町から少し離れたところにある洞窟
アスガールの洞窟に住む大精霊と契約することなのだけれど

僕は前回の戦いでマナを十分に回復できておらず
レスクもまた町の結界を張りなおしたことによってマナを失っていた
なのでひとまず休憩をしようというのだ。
カルダインの町で休息してもよかったのだが
あいにく宿屋をサラが全焼させてしまったので
別の町で休息することになったのだ
そのため、幸いにも目的地であるアスガールの洞窟の近く町があるという
そこへ目指して移動中である

すると僕達の前にヘルビーストの群れが飛び出してくる
「ぐるるるるっ」
唸り声を上げて、襲い掛かってきたのだ

「敵だ、ここは俺に任せろっ」
剣を抜くチョロ
しかし、それよりも先に動いたのはガリシィルだった
本来は病で動けないはずの彼だが
その様子からはとても病を患っているようには見えない
聖戦器であるドラグレアイーグルで瞬時に敵を蹴散らす

魔竜爪連撃ッ!

ヘルビーストの群れを1匹ずつ華麗に引き裂く

「流石だな」とレスク
「おいおい、何も一人で戦うことはないだろっ」
レスクとは違って少し怒り気味のチョロ
「明日には大精霊と戦ってもらうんだ、こんな雑魚にお前達の体力を消費させるわけにはいかないからな」
「それはあんたも同じだろ」
「・・・・・それはそうだが」
「そんなことより町が見えたぞ」とライ

気が付けばアスガールの町が目の見えるところまでやってきていた

「あれだね、アスガールは・・・行こうみんなっ」
僕達は町の中へ入って行く
広場の方からハープの音色が響いていた

「この音色・・・・」耳を傾けるチョロ

そしてアスガールにある宿屋を目指す途中だった
チョロが足を止める
「どうしたんだチョロ?」
気にかけるアウル
「すまねぇ皆、ちょっと気になることがあった、先に行っててくれ」
するとライがチョロの腕を掴む
「おいチョロ、明日は精霊のいる洞窟に行くんだぞ?」
「大丈夫だって、すぐに戻るからよ」
そういうとチョロはライの手を振り払い、町の広場の方へと走り出した
ライは首を傾げる
「チョロの奴、どうしたというのだ?」
「ライ、ほっとけよ、あいつはすぐ戻ってくるって言ってたしな」
「でもレスク、あいつ・・・・いつもと様子がおかしかったぞ」
「そうか?」

一方で広場の方に駆け出したチョロは・・・・。

広場でハープを奏でる旅の吟遊詩人を見つけて足を止めた
そのハープからは美しい音色を出し、人々の心を刺激する
チョロも例外ではなかった
「・・・・なぜだ、記憶にないはずなのにどこか懐かしい」
チョロの頭の中で失っていた記憶が、曖昧とはいえ映し出される

「なんだこれは・・・俺の・・・・記憶!?」

「見てOOOOッ! あの人がこの町で有名な吟遊詩人よ」
翼の生えたケモ竜の娘がチョロの腕を引っ張った
チョロは吟遊詩人には興味のない様子で頭を掻く
「そんなことより、飯にしようぜ」
「もぅっ、せっかく来たんだから少しは雰囲気を味わいなさいよっ」
「ったくしょうがねぇな」

「待て、行くなっ!! そっちはっ」
思わず声を出す現実のチョロ
しかし、記憶は意図せずに次の場面を映し出す

ドーーーーンッ!
突然の爆発音
場面がすっかり切り替わり
チョロの後ろでは先ほどのケモ竜の娘が倒れていて
目の前には黒竜達が並んでいる
「ふははは どうした大切な人が死んだぞ?」
「・・・・アサナ、嘘だろ・・・・アサナァァァッ!」
「お前もすぐに娘の許に送ってやるよ」
「・・・許さねぇ」
「なんだって?」
「貴様らは・・・・殺すっ」
突然豹変するチョロ
髪の色が青から紫へと変貌し
チョロの足元から黒く歪んだ霧のような何かが溢れ出す
「誰だ、さっきとはまるで別人・・・・・」
「貴様に名乗る義理はない とりあえず死ね、俺が遊んでやるぜ」
雰囲気も様変わりしたチョロは地面から大剣を呼び寄せる

ここで記憶は途切れてしまう
「ぐっ・・・今のは一体?、頭がいてぇ・・・・・」
地面に膝を落とすチョロ
するとハーブを奏でていた吟遊詩人が演奏をやめて声をかける
「大丈夫ですか、地竜族のお兄さん」
「・・・・・アサナ」
「はい?」
「・・・・なんでもない、俺に構うなっ」
「待ってください、あなたどこかで・・・・」
「気のせいだろ、俺はお前を知らねぇ」
「そう・・・ですか」
そういうと吟遊詩人はどこかへ去っていく
チョロは頭をおさえて立ち上がる
「ぐっ・・・・頭が割れそうだ、早く皆の所に戻ろう」

『アサナ・・・・俺の恋人・・・・』

宿屋に向かい1階で僕と出会うチョロ
「チョロ、どこに行っていたの?」
「・・・・どこだっていいだろ、それより部屋はどこだ?」
「それなら2階の206号室だよ」
「そうか、悪いが先に休ませてもらうぜ」
そういうとチョロは手配した部屋に向かって行った
その様子を眺める僕
「何があったんだろう?」

そして宿屋で1日の休息を終えて
僕達はアスガールの洞窟を目指す

洞窟までの道のりは短かった
およそ数十分も歩けばその洞窟は見えてくる

「あれだね、アスガールの洞窟は」
僕は目を丸くした
「あそこに精霊がいるのか」とライ
「あぁ、間違いない、これほどの霊気を放っているんだ、お前達は感じないのか?」
レスクは精霊の気を感じ身震いした
「霊気?私には何も感じないぞ」
「ふんっ、とりあえず行ってみれば分かることだ」とガリシィル
そのとき、草むらから物音がした
ガサッ
「敵ですっ、皆さん気おつけてください!」
一番早く敵に気づいたサラが皆に言った
しばらくして草むらから敵のシルエットが映る
「この大地には剣に命をささげるものはおらんようだな」
「誰だ!」
僕は身構える
「我がの名はフルノース、おのが信念に命を賭す騎士なり!」
「・・・・人?」
「竜が神子とそろって何を企む・・・・吐けっ!」
「何を・・・って」
「まぁいい、貴様等全員我が愛刀の錆びにしてくれる」
フルノースという男は剣を抜き、僕に剣先を向けた
それを見ていたガリシィルが横から割り込む
バッ
「下がってろ、こいつは俺が相手をする」
「でもガリシィル!」
「何も一人で戦うことはないんじゃねぇか?」とチョロ
「お前達はこれから精霊と戦うことになるはずだ、無駄な体力は使うな」
「それはあんたも同じ・・・っておいっ」
チョロの話を聞かずに前に出るガリシィル
ガリシィルの姿を見て驚くフルノース

「む、己は・・・・銀髪の竜!?」
「俺を知っているのか、騎士と言ったな何処の者だ?」
「語る必要はない、いざ・・・参る!」
ガキィッ、キンッ・・・・
激しくぶつかり合う剣と爪、素早い剣裁きを見せるフルノースからは笑みが見えた
「ほぉ、久しいなこれほどの攻撃の重み・・・尋常ではないモノを背負っているとみた」
ギリギリ・・・・
剣との押し合いにガリシィルが応じる
「くだらん、今はただここを突破するのみ!」
「愚かな、死ね!」
フルノースが剣を縦に振るい、ガリシィルを真っ二つに切り落とす
スパッン!
「ガリシィル!」
僕が叫ぶ
「安心しろルイ、それは残像だ」
するとフルノ-ルの後ろにガリシィルは姿を現した
「なにぃ」
フルノースが振り返り見る
「見切れるかっ!」
「くっ・・・」
フルノースが防御に入る

そしてガリシィルが激しく下から上に斬撃を浴びせる

狼牙の爪痕ッ!!

「ぐわぁぁぁぁ」
フルノースは宙を舞いそのまま地面に崩れた
ドサッ
「・・・・話にならんな」
ガリシィルは血の付いた爪器を振り払い、あきれた様子で言った

「ほんとに一人で倒しやがった」
驚くアウル
「流石に強いな、ガリシィルは」とライ
「バハムートの血を受け継いでいるからだろう、それぐらいのことは俺にも分かる」
レスクが杖を腰にかけて言った
「・・・・俺の出番がなくなりそうだぜ」
「安心しろチョロ、俺も出番がまるでねぇ・・・・」
チョロの肩に手を置くアウル

だが、ガリシィルが全力で戦えるのも今のうちだけだ
今の彼は実は病人、いつ発作で倒れてもおかしくはない

そして僕達はアスガールの洞窟へと入る

「ここのどこかに精霊が・・・・」
レスクが辺りを見回す
「俺の記憶が正しければここには火の大精霊・ヘルサラマンダーがいるはず」
ガリシィルが腕を組みながら言った
「あれ?この気配は・・・・」
「どうしたのサラ?」
「いや、さっきから何者かの気配を感じているのですが、皆さんはお気づきではないのですかぁ」
「敵か!」
チョロがそれを聞いて声を上げた
「どうしたチョロ、恐いのか?」とライ
「なにを言うんだ、むしろ逆だ、わくわくするぜ」
「・・・・そうか」
「お~い、皆こっちに来てくれ」
そこへアウルが声を掛けた
「どうした何か見つけたのか?」
「これを見ろ、鉄格子の扉だぜ、鍵が掛かってて先に進めねぇ」
「行き止まり・・・か」
ガリシィルは辺りを見渡す
「だが、精霊の気はこの奥から感じる、どうにかして先に進まないといけない」
すると誰かの声が後ろから聞こえてくる

「くくくく、その先に進みたいのか?」

「誰だっ!」
後ろを振りえるとそこには火の玉が宙を漂っていた
それを見たアウルとサラは絶叫する
「で、でたぁーーーーーーーーっ」
「敵なのか」
レスクは杖を握る

「その扉の鍵は私が持っている、私を倒せたらあげてやってもいいぞ くくく」

火の玉はぐるぐると円を描き地面の中へと消える
すると地面が突如盛り上がる
「な、なんだ!?」
ドァァンッ

「ゾンビだ、気を付けろ、奴は猛毒の息を吐いてくるぞっ」
ガリシィルは素早く僕達の前に出る

ホーリークロスッ!

するとゾンビの頭上から突然光の十字架が落ちてくる
ダァンッ!

「ぎょぇぇぇぇっ」
ゾンビは叫び声を上げて扉の鍵を落とした
「・・・・・今の魔法はレスクか?」
鍵を拾ったガリシィルはレスクの方へ視線を送る
「悪いな、お前ばかりに戦わせるわけにはいかないと思って」
「・・・・まぁいい、精霊はこの先だ」

鉄格子の扉を開けて先に進む僕達

「ここはさっきと違って薄暗いですね」
サラが辺りを見渡しながら言った
「まぁ洞窟だからね」
しばらくすると奥に石碑が置かれた場所が見えてくる
明るく光るフロアのど真ん中に魔方陣が描かれていてその上に大精霊は居座っていた
いつもなら人前に姿を見せないはずの精霊が、堂々と姿を晒して魔法陣の上で丸くなっていた
その様子は火竜が丸くなっているみたいだが、火竜とは似ても異なる生体
「あれが・・・・火の大精霊・ヘルサラマンダー」
レスクが冷や汗を流した
僕達が大精霊の前までやってくると、精霊は目を開け問いかけた
「何者だ・・・・我が眠りを邪魔するのなら消えてもらうぞ」
「違う聞いてくれ、大精霊ヘルサラマンダー」
レスクが手を広げて言った
「・・・・神子族か、何しにここにきた」
「世界を救うために、彼方の力が必要なんだっ、俺と契約してくれ」
「・・・・・世界がどうなろうと我には関係ない」
「まて、世界が滅べばお前らも消えるんだぞ」
ガリシィルが横割って言った
「・・・・我々は元々実体を持たないマナの源、世界が滅ぼうが私自身は滅びぬ」
するとレスクがすでに契約を交わした精霊ウンディーネが姿を現す
「ヘルサラマンダー、この方々に力を貸してはくれませんか」
「ウンディーネか、なんだお前、こいつらの味方になってしまったのか?」
「私だけではございません、イフリートやルナ、セルシウスなど他にも多くの精霊が彼に力を貸しています」
「それは、まことか・・・・」
「ウンディーネの話は本当です」
すると今度はイフリートが姿を現す
「イフリート!?」
「お久しぶりです、ヘルサラマンダー様」
「どうしたイフリート、お前が敬語を話すなんて珍しいな」とレスク
「レスク、彼は火の大精霊、私の師であり、私の親のような者なのだ」
「そうなのか?」
「・・・・・・お前に話すことなどない」
「まぁいいやそんなことよりヘルサラマンダー、俺達に力を貸してくれ、頼むぜっ」
ヘルサラマンダーがレスクを見つめた
するとウンディーネとイフリートも頭を下げる
「私達からもお願いします、レスクはあのルクセアの子孫ですから」
「そうか、お前はルクセアの・・・・・」
しばらく考えたヘルサラマンダー
すると笑みを浮かべる
「ふっ、いいだろう、ただし、お前達の実力を知らなければ契約は出来ん!」
「あぁ、見せてやるさ!」
「では頑張ってくださいレスク」
イフリートとウンディーネは姿を消す
「さて、いよいよ出番が貰えそうだな」剣を抜くチョロ
「どこからでもかかってくるがいい」
余裕の表情を見せるヘルサラマンダー
そして今回の戦闘は僕が指揮をとるのであった
「サラ、レスク、ライっ!後衛から魔法で援護を頼む、アウル、チョロは前線で戦って、それからガリシィル・・・・」
「俺に命令するな、要するに死ななければいい、そうだろう?」
ガリシィルはそう言うと前衛に突っ走った。
「あっ待ってガリシィルっ!・・・・無茶しなければいいけど」
僕は彼の容態を知っている
カルダインで再会してからは平然としている彼だけど
本当はまだ病気が治ってないはず
そんな僕の思考とは真逆にガリシィルは颯爽と攻撃を仕掛けていた

爪連斬ッ!

連続でヘルサラマンダーを切り刻む
だがヘルサラマンダーは器用に攻撃を受け止める
ガリシィルはいったん後ろへ下がると
サラが魔法を唱える

「風よ切り裂けっ!」

ウィンドスラッシュ!

風の刃がヘルサラマンダーを捕らえる
「無駄だっ!」
ヘルサラマンダーは両腕を広げてそれを弾く

「源よ我が剣に宿いし聖なる雷を落とせっ!」

ヴォルトストーム!
ズガーッン、ゴロゴロゴロ
ライが続いて稲妻の魔法を唱えた

「くらえっ、烈風刃!」
ドオッン
そこにチョロが剣を振るい衝撃破を放つ
最後にアウルが攻撃を仕掛ける

火炎斬ッ!

ドオッン
しかしそれらは見事に回避され
ヘルサラマンダーは宙に浮いていて笑みを浮かべる
「ぬるい、ぬるいぞっ その程度かっ」

そして降りてくるヘルサラマンダー

そこへ僕が攻撃を仕掛ける
先ほどまでサラの近くにいた僕だが瞬時にヘルサラマンダーの目の前に現れる
「っ!?」

ニ連続の回し蹴りからスカイファルコンによる4連続斬りを与えた
僕の攻撃を食らって後ろに吹っ飛ぶヘルサラマンダー
しかし、体勢をすぐに立て直し反撃してくる
「こざかしい!全てを焼き尽くす流星よ!」

メテオストーム!

ヘルサラマンダーが魔法を放った
放たれた魔法は僕らの頭上から無数に隕石を落とす
ズドォォッンズドォォォッンズドォォォッン

古代盾(エンシェントシールド)っ!!

ガリシィルと僕が魔法障壁を張りそれらを防ぐ
「流石に一筋縄ではいかないか」
「おもったよりあいつ、強いよ・・・・僕の攻撃が効かないなんて」
「お前の聖戦器は俺のとは違う、それにお前はもともと筋力がないからな」
「そんなっ、せっかく手に入れた武器も役に立たないのか!?」
「スカイファルコンは遠距離攻撃を可能にする能力があるはず、ちゃんと性能を把握しておけっ」
ガリシィルに言われて僕は思い出す
確かラハヴァと戦った時、ラハヴァは腕を軽く振っただけで斬撃を飛ばしていた
まさか、そういうことなのか・・・・・。
するとレスクが口を開く
「奴は火の精霊なんだろ?、ならば水属性の攻撃が効くはずだ」
「水属性の攻撃か・・・」ガリシィルは僕の方に視線を送る
「な、なんだよ」
「ルイ、ここはお前に任せるぞ、アウル、チョロ、ライ、俺に続けっ!」
「わかった!」
するとガリシィルが僕に代わってヘルサラマンダーの方へと走り出す
追いかけるアウルとチョロ、そしてライ
そんな中レスクは杖を掲げた
「ルイ、これから俺は海の主を召喚する、少々時間をかけるが守ってくれるか?」
「流石に僕一人では皆を守り切れないかも・・・・」
僕の魔法障壁である古代盾(エイシェントシールド)には亀裂が入っていた

エルバリアッ!

すると突如、僕達を覆う新たなバリアが展開された
「サラ!?」
「支援魔法なら任せてください!」

氷河の爪痕っ!

その直後にガリシィルがヘルサラマンダーへ攻撃を与えた
ズガアッン、ピキピキィッ・・・・・
斬撃と同時に凍てつく氷柱が襲う
水属性ではないが彼なりに考えたのだろう
「ぐぁぁっ」悲鳴を上げるヘルサラマンダー
「よし効いたか!、今だっ」
ガリシィルの合図でライ達が追い打ちをかける

雷流斬っ!!

旋空斬っ!!

ライが得意の雷撃を纏わせた斬撃を与えた後
チョロが宙に回転しながら連続で斬りつける

「アウルっ!」着地と同時に声をかけるチョロ
「よっしゃ、これで終わらせるぜっ!」

衝破斬

アウルの斬撃がヘルサラマンダーをとらえて爆発する
ドォーンッ!

「やったか!?」
倒したと思い込むアウルだが
ガリシィルは叫ぶ
「いや、まだだっ!」
煙の中から赤みを帯びた光が見えた
それは火炎の魔法

そこへレスクが腕を振り払う
「我が呼び掛けに応えよ!! シーサーペントッ!」
突如、レスクの足元から水が沸き上がり大蛇が姿を現す
その蛇に水が纏わりついたかと思えば
僕達に襲い掛かろうとする火炎を飲み込むとそのまま
津波のようにヘルサラマンダーの方へと突っ込んでいた

バシャァァァァッン!!

ヘルサラマンダーの近くにはまだガリシィル達がいたはずだが
彼らはその津波に巻き込まれなかったのだろうか
心配することはない、サラのバリアがしっかりと守っていた

「・・・・ぐ、いいだろう」
ドサッ
ヘルサラマンダーは地面に崩れ落ちた
「今度こそ終わったのか?」
「ルイさんどうやら終わったみたいですぅ、リザレクション!」
サラが全員を回復さした

「大精霊・ヘルサラマンダーよ、俺と契約し誓いたまえ」

そうしてレスクは大精霊ヘルサラマンダーとの契約に成功する
「ガリシィル、次はどうするんだ?」
「残る大精霊は2体、次は水の大精霊を契約しにいくぞ」
「でもガリシィル、それは何処にいるのか分かっているの?」
僕が訊ねた
「問題ない、次はアルフラウドの遺跡だ」
「あるふ・・らうど・・・・の遺跡?」
「あぁ、ここから北東に向かえばあるはずだ」
「よくそんなことが分かるな、あんたは神子族でもないのに」とレスク
「・・・・・あぁ、人に聞いたからな、それよりもレスク」
「なんだ?」
「さっきの召喚魔法・・・・精霊ではなかったようだが?」
「あぁ、俺は召喚士を目指しているからな」

『やはり、他の神子族とは何かが違う、魔物を呼び出せるほどの技術があるとはいったい・・・・』

「まぁいい、次の目的地に行くぞ」

そうして僕達はアルフラウドの遺跡を目指すのである
そこに待ち受けるのは2匹のゴブリン兄弟と水の大精霊・・・・・・
そして、いや 続き話はまた今度にするとしよう

続く